硬い角質層には尿素入りで対処する抗真菌薬

抗真菌薬というのは、真菌とよばれるカビやこうじのなかまである微生物を退治するはたらきのある医薬品を全般的に指すことばです。真菌とよばれるもののなかには、たとえば白癬菌、カンジダ、アスペルギルスなどがありますが、いずれも細胞には似ているものの細胞壁などの組織はもっておらずやや単純で、そうはいってもウイルスと比較すると大きく、構造は複雑であるという特徴をもっています。
こうした真菌がもたらす病気の代表的なものといえば、水虫やたむしと呼ばれる、白癬菌による感染症が挙げられます。これらは抗真菌薬をもって対処するというのが一般的で、塗り薬タイプのもの、飲み薬タイプのものと両方があります。
塗り薬タイプの場合、患部となっている皮膚に直接抗真菌薬を塗ることになりますが、その際、角質などの表面の硬い部分に塗ったとしても、中にいる真菌までは届かない可能性もあるものです。こうした場合の対処としては、尿素入りの軟膏などが使われることが多いといえます。
尿素というのは、加熱するとアンモニアなどに変化する、尿に多く含まれている物質ですが、これを化学的に合成したものが、尿素入り軟膏では使われています。この尿素には、角質をやわらかくして、薬剤が浸透するのをサポートするというはたらきがあるため、水虫治療などへの対処としてはたいへん適しているといえます。
これらの抗真菌薬は、真菌がもっている細胞膜を破壊したり、または細胞膜を合成するためのメカニズムの一部を阻害するなどのはたらきによって、最終的に真菌の増殖を抑制したり、死滅させたりします。そのため、真菌の感染症で病院などを受診すると、検査の上で、その真菌の種類にふさわしい抗真菌薬が処方されるのです。